-
【動画】「フキワレシードルリー」初出荷の報告と支援への御礼(7月7日更新)
-
-
ご支援に対する御礼と継続のお願い(3/13追記)
- 皆様の多大なご支援のおかげで、当初目標として掲げさせていただいた金額を大きく上回り、達成率400%を超えることとなりました。こんなにも多くのご期待と後押しがあるのだと身の引き締まる思いです。本当にありがとうございます。
皆様からのご支援は、醸造所併設のショップ工事費用にあてさせていただく予定です。想像を超えるご支援をいただいておりますので、シードルを楽しみにしてくださっている方や醸造所を訪れる方のため、余剰分はよりご満足いただけるような設備費用として使わせていただきます。ショップを無駄にグレードアップするなどは避け、事業が進むなかでゆくゆくは手をかけたいと思っていた、醸造機材の拡充や観光誘致のための費用といたします。
初仕込みのシードルは無事発酵に入り、酵母の働きをドキドキしながら見守っている段階です。
引き続きご支援を賜り、皆様のご期待に応えるシードル造りに尽力いたします。どうぞよろしくお願いいたします。 -
目次
- お時間のない方は、1だけお読みいただければ幸いです。
1. シードルバー店主が夢見た、最高のシードル造りに挑戦
・このプロジェクトについて
・ご挨拶
2. シードルを通して、故郷の農家さんの力になりたい
3. バーの店主がなぜシードル醸造所を造るのか
4. 日本におけるリンゴ農家の現状と私の考え -
1. シードルバー店主が夢見た、最高のシードル造りに挑戦
-
このプロジェクトについて
- 東京・神田にあるシードル&ウイスキーバー店主が、群馬県内初となるシードル専門の醸造所をつくります。シードルはリンゴで造るスパークリングワイン。世界のシードル産地を旅して多くの生産者と出会い、様々な製法を学んだからこそわかる、そしてお客様に美味しいお酒を届ける責任があるバーテンダーだからこそ譲れない、私が理想とする最高のシードル造りに挑戦します。初仕込みは2021年3月の予定で、沼田市のリンゴ本来の豊潤な香りと味わい、ほんのりとした優しい甘みが感じられるシードルを目指します。
皆様からご支援いただいた資金は、見学の思い出と一緒にお土産を持ち帰ってもらうため醸造所内に併設するショップの内装費に充てさせていただきます。お礼として、瓶詰めしたシードルをお手元にお届けするコースや、完成した醸造所の見学・試飲ツアーなどを用意しております。 -
- (写真=準備中のFukiware Cidrerie〈群馬県沼田市〉醸造室。室内の約3分の1スペースがショップになる。1月31日撮影)
-
-
-
ご挨拶
- 「Bar&Sidreria Eclipse first」を経営する藤井達郎と申します。世界のシードル産地を旅してこの目で見たリンゴ畑の風景、情熱ある生産者達との出会い、いつも応援してくださるお客様への感謝、故郷・沼田への貢献……。これまで培った経験と想いの全てを込めた、シードルという素晴らしいお酒の可能性を伝えるボトルを造ります。
樹を植え、実りを待つことは、未来を信じて夢を育てること。その実りから得たシードルという名の希望を、多くの人に味わってほしいと思っています。ご支援の程よろしくお願いいたします。 - 醸造所は私が育った実家の敷地内に設立します。沼田市利根町(旧利根村)にあり、沼田駅から尾瀬方面に30㎞ほどの自然に囲まれた奥地です。群馬県沼田市は県の北部に位置し、尾瀬への玄関口としても知られています。玉原高原や迦葉山(かしょうざん)、東洋のナイアガラと呼ばれる吹割(ふきわれ)の滝などがある自然豊かな地域です。
醸造所名は、この滝に因み「Fukiware Cidrerie」と決めました。
実家は、農家だった父が野菜を育てていた場所でもあります。高齢のためすでに父は農業をやめ、体が利かなくなったので、数年前から群馬から東京へ移り、私の家の近くで暮らしています。ですから畑は誰にも使われず、草は生え放題、父の農作業用具の残骸も散らかったままの荒廃した状態でした。
父が私を育ててくれたこの畑をよみがえらせたい……。ここにシードル用のリンゴの苗を植え、育てる事はできないだろうか……そう思い、昨年冬に土を掘り返しました。
まだまだ元気な土に興奮していると、古くから私を知る地元のおじさん達が、「田舎に戻ってまたいたずらするのか」と冷やかしながら集まってくれて、それをとても温かく感じました。リンゴの樹を植える相談が、農家さんを通じて行政の方に伝わり、沼田市のもとで起業を勉強する機会をいただきました。こうして醸造所設立の決意を固めていきました。
多くの人に背中を押していただき、励まされ、ようやく第一歩を踏み出した小さな醸造所です。沼田市を訪れた皆さんが、自ら農園でリンゴを狩って造ったオリジナルシードルを、大切な人と味わっていただける日が待ち遠しいです。
美味しいシードルを造ることはもちろん、地域の温泉や観光も楽しめる「楽しいシードル醸造所」にします。子どもの遊び場や、シードルを飲みながらBBQできる場所、シードルを飲みながらのんびりくつろげる座敷などもつくりたいと思っています。
新法人設立、醸造所建設に着工するまで、すでに沢山の人達に導いてもらいました。リンゴ農家さんをはじめ、地主様、地元の土建会社の社長様、金融機関の方、沼田市の行政に関わる方々、シードル造りに関わる方や同業の方、私の店のお客様、家族。皆さんのおかげで、やっとここまで来ました。全ての方にこの場を借りてお礼申し上げます。 -
-
- (写真=シードル&ウイスキーバー「Eclipse first」店主・藤井達郎)
-
- (写真=実家の敷地内の畑にて〈2019年撮影〉)
-
-
- (写真=毎年、お客様とのリンゴ狩りで造ってきたシードル、神田「Eclipse first」にて)
-
2. シードルを通して、故郷の農家さんの力になりたい
- 青森県や長野県に比べれば生産量は劣りますが、群馬県は関東最大のリンゴ産地です。なかでも沼田市は最大の栽培面積を誇ります。沼田市は都心部からの交通の便も良いので、ほとんどのリンゴ園が観光農園として運営しています。そのため市場にリンゴが出回る事がありませんが、観光農園であればこそ、消費者が口にする直前まで樹上完熟させることができるのです。
今回のリワードでお届けするシードルの主原料「ふじ」をはじめ、樹上完熟させたリンゴはとても糖度が高く、甘く瑞々しい味わいとなります。中でも、1991年に品種登録された「ぐんま名月」は糖度が非常に高く、霜降りのように蜜が果肉中に広がっている人気銘柄です。その希少性から「幻の黄色いリンゴ」と呼ばれています。「Fukiware Cidrerie」では、これらの樹上完熟させた沼田市のリンゴを使います。
原料供給に協力してくれるのは、松井りんご園の松井恵一郎さんです。実力ある若手リンゴ農家さんで、2018年に青森で開催されたりんご王者決定戦では初の青森県外の優勝者となり、群馬県内のリンゴ品評会においては7年連続金賞受賞、そして2019年にはこちらも史上初となる、群馬県リンゴ品評会の「ふじ」「ぐんま名月」両部門で最高賞W受賞を果たしています。私と同じ年で、私の幼馴染との縁で出会った松井さんとは、神田の店を開業した5年前から「いつか沼田市でシードルが造れたらいいなぁ」と、何度も夢を語り合いました。そしてタッグを組み、松井さんの畑のリンゴ狩りツアーを開催したり、松井さんのリンゴを使った委託醸造のオリジナルシードル造りを実施したりしてきました。
数年後には、沼田市のリンゴだけでなく、海外品種のリンゴをブレンドしたシードルを造ります。海外のシードルに使われるリンゴは、日本の生食用リンゴとは品種が異なり、渋味や酸味が強いのが特徴です。ですが、リンゴの糖分がアルコールに変わった後もこの特徴は残り、シードルにすると重厚感や味わい深さが増すのです。沼田市の樹上完熟させたリンゴと、沼田で育てた海外品種のシードル用リンゴ、その両方をブレンドした銘柄を送り出すことが、私が目指す最終的なゴールです。
松井さんは私の想いに賛同してくれて、松井りんご園の畑の片隅を借してくれました。昨年には松井さんの確かな栽培技術のもと、海外品種の穂木を接木してもらい、秋には小さな実をつけました。2021年春、いよいよ醸造所敷地内の畑に植樹する予定です。数年後にはきっとたくさんの実をつけ、沼田市のリンゴと私の畑で育ったリンゴをブレンドした、最高のシードルを皆様にお届けすることができるでしょう。 -
- (写真=松井りんご園の松井恵一郎さん)
-
3. バーの店主がなぜシードル醸造所を造るのか
- 私は父の故郷でもある群馬県沼田市に生まれ、高校時代まで過ごしました。いたずらをしては大人を困らせる子どもでしたが、しょうもない奴だと笑ってくれる、そんな温かい大人達に囲まれて育ちました。
高校卒業後に上京しプロボクサーになりましたが、世界チャンピオンになる夢は叶わず、24歳で引退しました。引退後に時々通ったバーで、カウンターに立つバーマンの所作に憧れてバーマンに転身。ほどなくウイスキーの虜になり、26歳の誕生日、スコットランドの蒸留所を巡る旅に出ました。
スコットランドを旅する中で、宿泊する町々の酒場を回り、そこで出合ったのがリンゴのお酒「サイダー」(シードルの英語読み)でした。どの酒場にも、必ずと言っていいほどビールのタップと並んでサイダーがあり、日常に当然のようにあるリンゴのお酒に強く惹かれていきました。
当時、日本では今よりも知名度が低く、飲める場所もほとんどない環境でしたが、わずかな情報を集めてはシードルに触れ、いつか自分で店を持つときは、ウイスキーもあるけど、シードルに特化したお店にしたいと強く思うようになりました。シードルを通して故郷の沼田とつながりたい、それを生業としたい気持ちもありました。
2015年6月、東京・神田にシードルとウイスキーの店「Bar&Sidreria Eclipse first」を開業しました。
この目で見たものをできる限りお客様に勧めたいという想いから毎年、国内外のシードル産地を巡る旅に出ました。フランスのノルマンディやブルターニュ、イギリスのサマセットやヘレフォード、スペイン北部のアストゥリアス。ドイツのフランクフルト、バルト三国の一国・ラトビアなどを旅しました。
どの国の生産者も、日本からシードルを学びに来た私を温かく迎えてくれ、手厚いもてなしを受けました。きっとそれは、自分が造るシードルにとても誇りを持っているからに違いありません。彼らの温かさや情熱を、一杯のグラスを通じてお客様に伝えることができる。そんな私の仕事にも、今まで以上に誇りを持てるようになりました。
私は、シードル市場の広がりが全国のリンゴ農家さんの手助けになると考えています。だからこそ飲食店という立場で、できる限りシードルの普及に努めてきました。シードルをどう提供すれば消費者に楽しんでもらえるか、どうシードルの魅力を伝えようか考えながら、今も店のカウンターに立っています。今後はシードル造りにも携わっていきますが、私の立場と信念は変わりません。 -
- (写真=プロボクサー時代の藤井)
-
-
- (写真=ビッグサイトでの展示会にて)
-
- (写真=スペイン・アストゥリアス州のビリャビシオサにあるリンゴ畑で。シードル生産者、農家の人、通訳者と一緒に)
-
4. 日本におけるリンゴ農家の現状と私の考え
- シードルに関わる中で、同世代のリンゴ農家さんとの交流がとても増えました。父が農家だったこともあり、農業の大変さはわかっていたつもりでしたが、私と同世代の若い人達が農業を営み、日本を支えていることに改めて尊敬の念を抱きました。
それと同時に私が知ったのは、農家さん達の葛藤や疲弊です。農業従事者の高齢化、消費者の高齢化、後継ぎ問題、リンゴ消費量の低迷、農作放棄地など、今までのようにリンゴを栽培するだけでは乗り越えられない、さまざまな課題を抱えていることを知りました。
日本のリンゴ農家さんは戦後より生食用リンゴに特化し、「日本は世界一美味しいリンゴを食べている」と言われるほど栽培技術を磨いてきました。丸く赤く大きく、美しくて甘いリンゴを育てるリンゴ農家さん達の技術力は世界一です。しかし、剪定、花摘み、摘果、葉摘み、玉回しなど想像以上の手間がかかり、人手も必要になります。高齢化が進む過疎地域では負担も大きく、後継ぎ問題も深刻です。農業をやめてしまい、農作放棄地となった畑も多くあります。
リンゴを贈答品に選ぶ消費者の高齢化、若い人達があまりリンゴを食べなくなったこと、このような事情もあり、リンゴの消費量も減っているそうです。
国内では数年前から、第六次産業として農家がワイナリーにシードル醸造を委託する動きが盛んになっています。生食用リンゴの栽培技術があればこその、繊細で綺麗な味わいのシードル造りに情熱を傾ける醸造家も沢山います。そうした人達の努力もあり、私が神田の店をオープンした2015年当時に比べ、シードルの認知度ははるかに高まりました。しかしながら、まだまだシードルの市場は大きいとはいえません。
ですが、シードル市場が大きくなれば、味わいに重厚感を与える海外品種のシードル用リンゴの需要も増えるでしょう。シードル用リンゴの栽培は、気が遠くなるほど手間がかかる、生食用リンゴ栽培工程のほとんどが省かれています。国内リンゴ農家の畑は平均3ヘクタール程度と小規模にもかかわらず、家族経営かつ人を雇って運営しているところがほとんどです。
それに対してシードル用リンゴ品種なら、同規模の畑を夫婦2人だけで運営することも可能です。私は実際に海外でそのような生産者を見てきました。生食用リンゴ畑の一部をシードル用リンゴに変更するという選択ができれば、人手や手間を減らし、畑を守ることができます。
私は、世界に誇るべき日本のリンゴ農家さんの技術を守るためにも、シードル市場がさらに広がることを願っています。そして「Fukiware Cidrerie」事業を通じて、私を育ててくれた地域と人への恩返しをしていきたいです。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。 -
- (写真=松井りんご園の完熟した「ふじ」)
-
※未成年者の飲酒は法律で禁止されています。
-
※未成年者への酒類の販売は行っておりません。
-
※飲酒運転は法律で禁止されています。
-
※妊娠中、授乳期の飲酒は胎児、乳児の発育に影響を与える恐れがあります 。
-
※高温多湿、直射日光を避けて保存してください。