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2月最終日は世界希少・難治性疾患の日
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RDD2024 in Japan: めぶく、であい。たっぷり、いっしょに。
- 世界中の希少・難治性疾患の患者数をあわせると3億人と推定されます。しかし、一疾患ごとの患者数が少ないため病気についてわからないことも多く、診断機会や治療法、関係者や周囲からの理解などが不足している現状があります。
世界希少・難治性疾患の日(Rare Disease Day, RDD)は、世界中の希少・難治性疾患の患者さんやご家族にとって、より良い診断や治療による生活の質(QOL)の向上を目指す活動です。うるう年の「Rareな日」にあわせ、毎年2月最終日が定義日となっています。2008年からヨーロッパでスタートした本領域世界最大の社会啓発イベントであり、日本でもその趣旨に賛同して2010年から全国で開催し、患者や家族同士、関係者らがつながる機会をつくっています。 -
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希少・難治性疾患(Rare Disease)とは?
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実は身近な大きい希少・難治性疾患
- 希少疾患(Rare Disease)・難治性疾患といっても、多くの皆様にとってはあまり聞き馴染みがないと思います。
国によって定義が異なりますが、1疾患あたりの患者数がとても少なく、病気のメカニズムも複雑なことが原因で、なかなかその認知が広がらず、適切な診断方法や治療法・薬の研究が進まない疾患のことを指します。
1疾患の患者数は確かに少ないですが、このような疾患が世界にはおよそ6,000種類あるとされ、すべての疾患の患者数を足し合わせていくと、約3億人の患者がいるのではないかと推定されています。
また、家族や医療者など、希少・難治性疾患に関わっているひとは、世界の人口の3.5%から5.9%にあたるという統計もあります。このように考えると、希少だからといってインパクトの小さい社会課題ではないことがわかります。 -
希少・難治性疾患領域の課題
- 1つ1つの疾患は希少であるため、関連情報が十分でない、適切な診断が受けられない、専門的な医師や研究者が少ない、治療薬や治療法の開発が難しい、同じ疾患の患者や家族に出会うことができない…など、当事者はさまざまな困難に直面します。
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- 私たちは、これらの困難や課題は、当事者や家族、関係者だけでなく、社会の中で解決に向けて動いていかなければならないと考えています。そのきっかけとして、毎年2月の最終日を中心として、Rare Disease Dayを開催しています。
RDDを通して、希少・難治性疾患領域に関わるかたがたを知っていただき、課題解決の可能性もまた多い領域であることを感じていただければと思います。また、この領域の課題を通じて、他の一般的な疾患領域の課題解決にもつながることを期待します。 -
RDDの取り組み
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世界のRDD、日本のRDD
- RDDは2008年にヨーロッパで始まりました。
4年に一度のうるう年(2月29日というRareな日)と、希少・難治性疾患のRareを掛け合わせて、うるう年ではない年でも、2月最終日を開催定義日としています。
2023年には、世界100カ国以上で、600以上のRDDイベントが実施されました。
日本では、特定非営利活動法人ASridの中に設置されたRDD Japan事務局が日本国内で実施されるRDDイベントのとりまとめを行っており、ALL Japan体制でRDDを実施しています。
日本でのRDD開催は2010年から始まり、今年で15周年となります。 -
- 日本のRDDは 2010年に、東京・京都・三重の3地域で始まりました。
その後、各地のイベント主催者のかたはもちろん、支援いただくかたも増えてきました。
2020年には新型コロナウイルス感染症により一時的に公認開催イベント数が半減しますが、その後は数を戻し、2023年には全国64箇所でのRDDが開催されました。 -
- 日本でRDDを実施している主催者は、いわゆる患者当事者のかたやご家族だけではありません。
医療者(病院、リハビリテーションセンターなどの施設、臨床心理士や遺伝カウンセラー、医学部の学生など)が主催するRDDや、図書館や商店街といった公共の場で行われるRDD、中学・高校・大学・塾といった教育機関で行われるRDDなど、多種多様なバックグラウンドをもつかたによる特色のあるRDDが行われています。
2024年にはグループホームや薬剤師会によるRDDが発足されるなど、RDDの多様性は増しています。
(なお、RDD日本開催事務局公認のイベント主催者になるためには条件があり、事前審査や応募者との面談を行い活動実態がない組織等には公認しておりません。) -
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日本全国で行われるRDD
- RDD2024では、現時点で過去最大の75のRDDが実施される予定です。
各疾患の患者団体によるRDDや、医療機関によるRDD(RDD福井(福井大学医学部附属病院)、RDD医誠会国際総合病院、RDD香川(四国こどもとおとなの医療センター))など新たな12のRDDイベントが行われます。 -
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中学生・高校生が行うRDDイベント
- RDDでは、2019年から高校生が主催者として加わりました。現在では、中学生や高専生も加わって、主体的に希少・難治性疾患を学び、発信し、RDDを主催しています。
大阪明星学園明星高校、神戸海星女子学院中学・高校、山形県立酒田西高校、国立鶴岡工業高等専門学校の4校がRDDイベントを主催しているほか、関心のある学校や生徒個人のイベントへの参画もあります。
スタディーツアーやウェビナーで希少・難治性疾患の当事者や家族・関係者から話しを聞いて理解を深めたり、学会で大人顔負けの発表を行ったり、啓発動画を自作したり、学びや活動の幅を広げています。
2022年からは、酒田西高校の発案で、RDD開催校や近隣の学校が集まって希少・難治性疾患について話し合う「全国中高生RDDサミット」を毎年開催しています。 -
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RDDカラーライトアップ
- RDD Japan事務局では、2021年からRDDの定義日に合わせて東京タワーをRDDカラー(グリーン、ピンク、ブルー)の3色にライトアップしています。
これは、世界中のRDDでの行われている「The Chain of Lightsキャンペーン」の一環でもあり、世界1,000箇所以上の有名ランドマークなどがライトアップされ、希少・難治性疾患の社会への発信と関係者の世界的な連帯を示しています。
日本では、東京タワーのほかにも鹿児島駅前の観覧車(アミュラン)のライトアップ、熊本城のライトアップが行われています。RDD2024では、熊本大学病院 時計塔・プロムナード、JR小倉駅・黒崎駅周辺にて、新規ライトアップが行われる予定となっています。 -
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RDDイベント開催のための、ご支援をお願いいたします。
- これまで記載させていただきました通り、2010年から始まった日本のRDDの活動は、各地域でイベントを実施してくださるイベント主催者の皆さまと一緒に、さまざまな方法で実施してきました。
私たちは「さらに多くの皆さまに希少・難治性疾患について知ってほしい」「日本の各地域で行われるRDDイベントをサポートしていただきたい」と考えています。そして「希少・難治性疾患をもつ患者さん・ご家族の生活の質の向上に向けて、より多くのかたに関わっていただきたい」と考えています。
本プロジェクトで集めた資金は、2025年2月に実施されるRDDに向けて、ライトアップや小冊子の作成・展開といった一般のかたならびに関係者への周知活動、中学生や高校生が実施するRDD活動(山形県鶴岡市で開催予定の全国中高生RDDサミット)への助成、各RDD公認開催主催者へのイベント開催助成資金といたします。
ぜひ、全国各地のRDDイベント開催のためにご支援をお願いいたします。