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■「やさしい杖」のグリップは自然に使える3タイプ。
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- 一般的なT字杖は、グリップ部分がほぼ平たんで、グリップ部分を包み込むように握り、人差し指と中指で杖の柄の部分を挟んで持ちます。
「やさしい杖」は、木工家 井崎正治がご利用者様の体形や状態に合わせて、負担なく使える自然な形状のグリップを開発しました。
それぞれの特徴をご説明します。 -
A 転ばぬ先の杖
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- 「Aの転ばぬ先の杖」は、グリップ部分の前後に手にあったやさしいカーブをつけることで手の平全体で自然にグリップを包み込むように握っていただくことが出来ます。
前後のカーブによって、握る位置と角度が安定し、手首への負担が少なく、親指から小指まで指全体がグリップに沿うため握力が弱くなった方でも安定した角度で使用を続けることができます。
歩くことに不安を持ち始めた方の歩行補助と安心を与えてくれるまさに”転ばぬ先の杖”です。 -
B 足腰いたわり杖
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- 「Bの足腰いたわり杖」は、グリップ全体に手のひらがあたるようになっています。
L字杖に近いグリップです。
グリップの接点に手のひら全体があたるようになっているので、安定してふらつかずに力をかけることが出来る形になっています。
足腰に痛みがあって杖に体重をかけることが多い方、手首に力が入りにくい、手が小さくグリップを挟んだ持ち方では指の間が痛くなる方、グリップを握ることで肩に疲れを生じやすい方にお勧めです。
握る力が安定するため、杖に体重をあずけ、ふらつかずに、らくに歩けるようになるよう工夫をした杖です。 -
C 姿勢すっきり杖
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- 「Cの姿勢すっきり杖」は、一般的な杖とは違った形状をしています。
スキーやポールウォーキングのストックのような形状で、グリップを縦に握るため、手の甲に力が入りますが、甲の下部分を支えるようにカーブをつけてありますので、滑り落ちることなく安定して握り続けることができる形にしています。
腰・背中が曲がりがちな方にお勧めで、この杖を使っていただくと自然に視線があがり、背筋が伸びるのでお腹を圧迫することなく姿勢よく歩けるようになります。
背筋が伸びることで足が出しやすいという声をいただいています。 -
■やさしい杖の特徴
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1本1本手作りです。
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- 「やさしい杖」は1本1本手作りです。
注文が入ってから、お使いになる方のことを思いながら、材料を切り出すことから始まります。
製作手順をご紹介します。
・支柱用の材を角材に挽き割り、杖の支柱を角材から削り出します。 -
- ・グリップ用の桜の木に型でスミ付けをし、糸鋸で切り抜きます。
・グリップに手が馴染むように削り出します。 -
- ・グリップを研磨し、連結用にした穴を開け、弛まないように調整します。
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- ・部材を組立、亜麻仁油(植物性油)を塗り、しっかりと拭きこみます。
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素材は「桜」を選びました。
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- フルオーダーの杖製作では、杖の素材から選んでいただいていますが、当プロジェクトでは、「やさしい杖」の素材として「桜」を選びました。
誰にでもなじみ深い「桜」は杖の素材としても適しています。
寒さの厳しい新潟で製作をしていますと桜の咲く春の訪れが本当に楽しみです。
長い冬が過ぎ、皆さまにもこの杖を使って、ご自身で桜の花をめでていただきたい。そんな願いをこめています。 -
「やさしい」杖が生まれるまで
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人の助けになりたい
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- 「やさしい杖」を製作している大塚恵美です。
私は椅子やソファーなどの製作の仕事に8年携わった後、工房塩津村の木工塾に入り、3年を蒲郡で過ごしました。
入塾当初“人の助けになる仕事をしたい”と福祉的な想いが強くあった私は「人の助けになるモノを作ることも福祉」との井崎先生の言葉に感銘しました。
塩津村で多くのことを学び、体験し、現在は故郷の新潟県小千谷市で自分の工房を構えています。 -
- 今回、私の「やさしい杖」をひとりでも多くの方にお届けしたいとの思いから、井崎先生と工房塩津村にサポートいただきながら、このクラウドファンディングに挑戦します。
私自身、体が不自由になった祖母に寄り添う杖を作ってあげたい。
そう思ったことから杖を作り始めました。
外出をあきらめず、明るい笑顔が見たい。
祖母に合った握りのよいグリップ。
見た目が優しく手から伝わる木の肌触り、あたたかなぬくもり、伸縮杖の様にカチャカチャ音を立てず、家族が手をとるように心にも寄り添える杖を祖母に贈りたい。
そんな思いをこめて、今後も一人一人の体と心を支える「やさしい杖」を製作し、「杖コンシェルジュ」として、皆さまにお届けしたいと思っています。
現在杖をお使いの方は2本目の杖として、又ご両親や祖父母、大切な方へのギフトとしてもいかがでしょうか。
ぜひ、ご支援よろしくお願いいたします。 -
井崎正治と工房塩津村
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- 私は生まれ育った愛知県蒲郡で工房塩津村をスタートしました。
「人の暮らしに応える仕事」と「自身が思い描く暮らしの道具の提案」を続けて49年になります。
開所当時から何人もの若者が当工房から独立し、自分の木工を形にしていってくれていますが、7年前より、手仕事の継承を考え「木工塾」を始めました。
今回のプロジェクトで杖を製作する大塚恵美さんもこの木工塾の卒業生の一人です。 -
- 私は工房ではモノ作りをしていますが、建築空間の設計やデザインの仕事もしています。
その中に医療機関や高齢者施設の仕事があり、入所している高齢者の方々が、体に合わない杖で歩行しているために手の痛みや肩こりになっていることを知りました。
杖に体を合わせるのではなく、ひとりひとり使用者に合わせた杖の必要性を感じ、症状や使い勝手、体形にあわせて改良を続け、8種類のグリップ(握り手)を開発し、フルオーダーの杖の製作を始めました。
今回、塩津村木工塾の卒業生で、新潟で工房を構える大塚恵美さんが、このフルオーダーの杖の中から、使用者の特徴に合わせた3タイプの杖を選び、素材を桜の木に限定し、お求めやすい価格で取り入れられるようにいたしました。
「やさしい杖」として、一人でも多くの方にお届けできることを嬉しく思い、当プロジェクトでは、工房塩津村として、リターン品などを協力しています。
塩津村から巣立った若き仲間の一人です。応援よろしくお願いいたします。 -
杖をご希望の皆さまへ
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杖の寸法の測り方
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- A:転ばぬ先の杖、B:足腰いたわり杖をご注文いただく際には、使用者様にまっすぐ立っていただき、床から手首の骨が出ているところまでの高さを計測してください。
C:姿勢すっきり杖につきましては、A・B同様に使用者様にまっすぐ立っていただき、腕を直角に曲げた時に腕の上までを計測してください。
一般的には、この計測で使いやすい、適性の杖の高さと言われていますが、使用者様の姿勢や歩き方などによって、使い勝手が異なる場合があります。
体に合わない杖を使用し続けることで、他の症状や不調の原因となることがあります。
製作者として使用者様には体にあった杖を使っていただきたいという願いから、サイズがあわないと感じられた場合は、ご相談の上1回無料で調整させていただきます。
使いづらい、サイズが合わないと感じられた方は、ご相談の上、対応させていただきます。
(※申し訳ありませんが、返送時の送料はご負担ください。) -
杖のゴム先について
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- 杖の先につくゴム先は靴底と同じく使っているうちにゴムが摩耗したり、ごみなどがついていると、すべったり転倒の原因になりますので、交換が必要になる消耗品です。
「やさしい杖」では、坂道などでもゴムの首元が柔らかく、安定して使えるフレキシブルタイプのゴム先を使用しています。
今回、「やさしい杖」のご購入を希望される方には、杖をお送りする時に同送することも可能です。また、後日交換の部品を追加でお送りすることも可能です。
ご使用者の方の症状や使用される場所に合わせて、滑りにくい加工をされたもの、自立するもの、多点杖になるものなど様々なゴム先が販売されています。
杖を販売しているお店やネット通販などで購入することができますので、定期的に交換をお願いいたします。 -
プロジェクトを応援してくださる皆様へ
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- 皆さまからのご支援は、杖の材料、新工房の機材の整備に使わせていただきたいと考えています。
当商品は天然の木材を使用しているため、色味の濃淡や木目が異なる場合がございます。
また、ご覧の環境(液晶画面の設定など)により商品画像と実際の商品の色味の見え方が変わってしまうことがあります。予めご了承ください。
尚、想定を上回るご支援をいただいた場合、発送に遅れが生じる場合がございます。
その際は、活動レポートを通してご支援をいただいている皆様に迅速にお知らせするよう対応いたします。