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1150年以上続いてきた「祇園祭」。今年は山鉾巡行・宵山行事が中止に
- はじめまして。京都のみならず日本全国の皆様から愛され続けてきた祇園祭の山鉾巡行を行っている公益財団法人祇園祭山鉾連合会理事長の木村幾次郎です。
今年の祇園祭は新型コロナの感染を防ぐため、山鉾巡行と宵山行事の大半を中止としました。
疫病退散を祈って始まり、1150年以上守り続けてきた祭りが疫病により中止となる事態は、各山鉾町をはじめ祭りを担うすべての人たちにとって極めて無念で悲しく、終生忘れることができない年となるでしょう。 -
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祇園祭とは
- 昭和54(1979)年、国の重要無形民俗文化財に指定され、平成21(2009)年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されました。世界にも知られる山・鉾・屋台行事の原点という京都祇園祭の山鉾行事は毎年7月に繰り広げられ、100万人を超える人が訪れています。
祇園祭は遡ること1151年—平安時代初期の869(貞観11)年、京の都に疫病が流行したとき、神泉苑に66本の矛を立てて祇園の神を迎え、洛中の男児が祇園社の神輿を神泉苑に送って厄災の除去を祈ったことに始まります。
室町時代になると町々の特色ある山鉾が登場し、現在の形になったとされています。応仁の乱(1467~78年)で都は灰燼(かいじん)に帰し、祇園祭も中断しましたが、1500(明応9)年に復活。以後、町衆の努力により山鉾の装飾にも贅を尽くすようになり、近世には度々の火災で多数の山鉾が消失しましたが、その都度、町衆の心意気によって再興し、今日に至っています。 -
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疫病退散の願いを込めた12万本の粽が、 その行き場を失いつつある・・・
- みなさんはこのクラウドファンディングのリターンになっている粽をご存知ですか?
毎年7月10日の前祭(さきまつり)山鉾建てから7月24日の後祭(あとまつり)巡行までの約2週間、疫病退散の願いを込めた粽約20万本を授与してきました。
この粽は京都市郊外の農家の方々が中心となり、前年から笹を準備し、祭りに奉仕することを誇りに思い、一つ一つ心を込めて手作りしているものです。今年もすでに12万本が完成し、山鉾町や連合会が受け取りましたが、主要行事の中止により例年通り授与することは難しくなってしまったのです。 -
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作り手の思いに応え、伝統を守るために
- 粽を作る方々の高齢化が進み、技術の継承や後継者確保が課題となっています。
完成した粽の保存は難しいため、ことし大量の粽が授与されないまま処分されることになれば、作り手の思いに応えることができません。
私たち祭りを担う者は、厄除け粽の文化と伝統を守り、そして新型コロナの早期収束を願い、クラウドファンディングを通じて全国の皆様に粽を授与することを企画しました。 -
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集まった資金の使い道
- このクラウドファンディングによって集まった資金については、粽だけでなく祇園祭全体に関わる伝統文化を守るための費用として使用させていただきます。
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リターンについて:厄除け粽を飾り、無病息災を願う
- 厄除け粽とは、⼋坂神社の祭神・牛頭天王(ごずてんのう)=スサノヲノミコトが旅の途中にもてなしてくれた蘇民将来へのお礼として子孫繁栄・疫病退散を約束したことに由来する「蘇⺠将来⼦孫也」と記した護符を付した粽のことです。
この護符を持つ者は疫病を免れるとされ、粽を⽞関に飾ることで1年間の無病息災を願うものです。
毎年、祇園祭のときにだけ各山鉾の会所近くで授与されてきましたが、新型コロナの影響でそれも難しくなり、今年に限り、当クラウドファンディングにて全国の皆様にお届けしたいと思います。 -
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令和2年限定・連合会特製粽を3,000円でお届けします
- 「蘇民将来子孫也」「疫病退散」「令和二年」と記した今年限定の連合会特製粽を3,000円でご指定の場所(日本国内に限ります)に配送させていただきます。
※粽は食べられるものではございません。 -
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令和2年の粽の授与について
- 今年の粽の授与方法は以下の通りとなります。
■クラウドファンディングによる授与
・当サイトによる授与
価格:3,000円~50,000円 期間:6月26日~7月31日
・Makuakeサイトによる授与
価格:5,000円~100,000円 期間:6月3日~7月27日 ※寄付金控除対象
■京都新聞「祇園祭文化支援キャンペーン」による授与
・京都新聞が紙面を通じて募集(ハガキおよびFAXで受け付け)し、粽を授与するもの
価格:3,000円 期間:6月26日~7月31日
■山鉾町での授与
・一部の山鉾町は7月に会所付近で粽の授与を行う予定です。新型コロナの感染状況によって変更の可能性があります。 -
考えられるリスクとチャレンジ
- コロナによる影響でリターンの発送などが遅れる可能性がございます。
粽の作り手の思いを無駄にしないこと、そのためにクラウドファンディングを活用して会所に直接お越しいただけない方にも粽を授与させていただける機会をつくることが、私たちのチャレンジです。 -
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公益財団法人祇園祭山鉾連合のご紹介
- その昔、祇園祭に山鉾を出す各町内の人々は、山鉾の自主性や独創性を競い合いました。さらには、山鉾の周囲に長刀や槍をもって警護したという古い絵図が残っていますように、巡行では我先にと順番を争って、常にもめ事を起こしておりました。 祇園祭山鉾行事の長い歴史の中で、中世から近世においてはこの行事が、時の権力者や 幕府により認可・執行されてきたこともありますので、巡行における順番や、順路などについて、各山鉾間で話し合うための、何らかの連絡機関があったものと考えられます。
明治時代となって京都の近代化が始まり、電話線・電灯線、市電の架線など道路に張り巡らされた障害物により、山鉾巡行は存亡の危機までも懸念する状況となりました。 さらには、交通量や観光客の増加、江戸時代に受けていた種々の援助や補助の打ち切りなどもあり、江戸期以来の旧式で大雑把な連絡組織では、各種の問題に対応することは困難となりました。
そこで、行政や各種団体との対応、更には大正時代となって復活された種々の補助を受け入れる組織が必要となり、大正12年に任意団体「祇園祭山鉾連合会」が設立されました。 平成4年に財団法人となり、平成24年には公益財団法人となって、現在に至っております。 -
最後に・・・
- このプロジェクトの案内を最後までお読みいただきありがとうございました。
令和2年、コロナ感染拡大を防止するため、山鉾巡行をはじめとして、山鉾行事の大半を中止するという苦渋の決断をいたしました。疫病退散を願う祭りが、疫病のため執り行えない無念さに耐える日々を過ごしております。
疫病退散の私どもの思いを日本全国に届けさせていただくため、連合会一同、皆様にご協力をお願い申し上げます。
公益財団法人祇園祭山鉾連合会 理事長 木村 幾次郎 -
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